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スターの虚像

かつて、ローリングストーンズの熱狂的なファンでした。
そう・・・ちょうど中学3年~高校3年くらいの多感な時期。
規律の厳しい女子校(ミッション系)で、みんな先生の前ではきちんとしていました。
今でいう「ブリッコ」です。
勉強が嫌いだった私は、当時「部活命!」な少女でした。
先輩たちがやっていた「文部省推薦」なダンスを
なんとか「カッコいい、皆が喜ぶダンス」に変えたくて
毎日毎日、練習!
終われば全身をアンテナにし、ダンスの役に立つようなものを探し、
ダンス部の変革を目指していました。

ひいい~~!こんなこと書くとカッコ良いけど、本当は
ストーンズが踊りたかった♪
ストーンズの曲に身体を預け、振付けることが快感だった・・・のかも?

で、ストーンズは不良っぽい代名詞で、その対極がビートルズ、カーペンターズなど。
だから、反骨精神が悶々としていた私にはストーンズの
「満足しねえ!なにやっても満たされねえ!!」(サティスファクション)
といった曲の方が、ピッタリきたんでしょう。

でも、ミック・ジャガーのインタビューなどによると
「俺たちは最初っから不良のイメージで売り出されたから案外楽だったよ。」
と言っています。
因みにミックは本当はかなりシャイ?大人しい人と星加ルミコさんが言ってました。
何をしても、あまり驚かれないし、イメージダウンなんて関係ないから楽だった?
その点ビートルズはストーンズより真面目に見られたけど
ずっと色んなことやってたのかもしれません。
ドイツのハンブルグで演奏活動していた頃なんてドラッグもガンガンやってたし、
酒も強いし、喧嘩もやったし。。
ストーンズのブライアンは別として、半端じゃない経験者だったようです。

スターは多かれ少なかれ、「虚像」があります。
全く裏表なく、正直に出してたら、逆に面白くない。
「制約」、「イメージ」、「禁断のもの」があると、
その中で何とか自分を出そうとする。。。
自由になりたい!
本当はこれはオレじゃない!!

とか、そういうもがきや苦しみがあると、
自然にそれが芸に出て・・
不思議な色気につながります。

たとえばレスリー・マッキューン・・・

人気絶頂期に男性(よく知っている人)にレイプされ、悩み、惹かれ・・・混沌としたはず。
それでもあくまでティーンエイジャーの女の子たちの初恋の純粋なイメージを大切にした。
自然体に見えても、決して自然体なだけではなかったレスリー。
あの若さで見事に、イメージを壊さないように自己演出(タムの方針?)出来た人でした。
彼のBCR時代の映像を観ていると
「オリの中で、動く野生動物」を思い出します。
出たいけど、出ない。
結構、少女たちの本能を刺激し、挑発しているけど、
それは無意識な感じにも見えるのです。

自由が制約されてるから、ステージで歌に、身体に、空気に
一種独特なパワーとして出てくる。。

だから、本当に自由にはならない方が、スターは輝きます☆

そのへんにいそうで、いない・・・オーラ。
隠された部分を、どこかで感じさせる色気・・・・・

皮肉にも、これが実はスターにとって、大きな魅力になるんでしょう。

あんなに親しみやすいイメージのBCRでさえ、
いや、だからこそ、今、最高にあの頃の彼らが輝いて映るのです。

もがき、苦しんでいたんだな・・・・・
でも、素晴らしい青春だった、と彼らが一番感じているんじゃないか?
と思いたいな。
だって、「虚像」であっても、それも彼らなんですから。





    1976年12月、NHK101スタジオにて☆
by mokkori_mattari | 2009-07-04 10:56 | B・C・R