先日、久々アメリカ映画を借りて観ました。
『雨のニューオリンズ』(1966年)と
『エリザベスタウン』(2005年)です。
この2作の時代は40年近く違い、その間、世の中はだいぶ変わりました。
2作を観終えて感じたのは
「ああ・・・女性の描き方も変わったもんだ。」
です。
まずは・・・・
『雨のニューオリンズ』
■脚本:テネシー・ウイリアムズ(「欲望という名の電車」「熱いトタン屋根の猫」など)
■脚色:フランシス・F・コッポラ(「ゴッドファーザー」)他
■監督:シドニー・ポラック
■出演:ナタリー・ウッド、 ロバート・レッドフォード、 チャールズ・ブロンソン他
■ストーリー
鉄道従業員の人員整理をするために
ミシシッピーの小さな町にやってきたオーエン(レッドフォード)。
彼の下宿先にはアルバ(ナタリー・ウッド)という美しい娘がいた。
やがて愛し合う2人だったが、アルバの母は2人の仲を引き裂こうとする。
鉄道従業員から袋叩きにあったオーエンと共に
ニューオリンズへ行く決心をするアルバだったが……。
<パラマウントピクチャーDVDページ参照>
■感想
まず冒頭にアルバの妹がボロボロの姉の形見のドレスを着、
廃墟となった鉄道町でBFに語り出すシーン。
テネシー・ウイリアムス臭ムンムン・・・惹き込まれます。
そしてかつて華やかだった頃の回想へ。
『明日に向って撃て!』以前のレッドフォードは、知的でハンサムな好青年。
今回はアルバたちにとって「敵役」みたいな役どころですが、憎めないなあ!
レッドフォードにはアクがないもん。
でも観ていくうちに合ってる・・と思いましたね。
正義感が強い点と、融通の利かない頑固さが魅力的・・それに純粋。
本当に惚れてしまう「初恋の人」的な存在ですから。
アルバ役のナタリー・ウッドは圧倒的に素晴らしい!!
「草原の輝き」、「ウエストサイドストーリー」など、
清純でありながらとても性的魅力があり、繊細だけど大胆。
しかし彼女には「強い生命力」というものが何故か感じられません。
きりっとした口元や意志の強そうな大きな目!!
でも・・・なぜか「はかなさ」が付きまとう。
小柄で華奢な点もあるかもしれませんが。。
彼女の持つ独特な内面性が関係するのかな?
この作品中のアルバは男たちの憧れの的。
いつも男の目を意識して、「何でも男は自分の言いなりになる。」と思っている。
でも、オーエンだけは理性と教養でなびかない。
そんな時の「プライドの傷つき方」が、彼女ならではの繊細な演技で、上手い!
自信ある美女は一変!
小鳥のようにおびえる少女に変わり、
相手への強い思慕と共に、
「相手に自分の運命を任せたい」という
典型的古風な女になってしまうのだ。
そこが可愛いと捉えるか、重いと捉えるかだが、
この時代は「可愛い女」なのだ。
いくら女性が強くなってきた時代でも、まだ、
男次第で運命が変わる・・・・それが女。
っていう暗黙の定義。
こうした女性像が、ナタリー・ウッドにはとても似合う。
ただし、チャッカリした女とは程遠く、
最終的には自分の幸せより、相手にとって自分のイメージが崩れるなら身を引く・・・・
それによって、身を落としても仕方ない・・・・・となってしまう。
優しいのか・・・?
というより美意識、美学が勝った女性なのだ。
美人だけど逞しく、母性愛が強いエリザベス・テイラーとは違い、
どっちかと言えば父性本能を駆り立てる女なのかもしれません。
こういったデリケートなムードを持つ女優はアメリカでは珍しいのではないかな?
『34丁目の奇跡』の子役時代から、大人の演技派女へと成功した彼女、
ロバート・ワグナーと結婚、離婚、復縁・・の果て
夫と夜の海で船に乗り、転落死・・・・・
悲劇的な末路は、彼女らしいとも言えます。。
それにしても、テネシー・ウイリアムズの描く女性って、
どうして幸せになれないんだろう・・・・・?
しかも、ベタな悲劇ではないので後に残る・・・・・・・
『雨のニューオリンズ』(1966年)と
『エリザベスタウン』(2005年)です。
この2作の時代は40年近く違い、その間、世の中はだいぶ変わりました。
2作を観終えて感じたのは
「ああ・・・女性の描き方も変わったもんだ。」
です。
まずは・・・・
『雨のニューオリンズ』
■脚本:テネシー・ウイリアムズ(「欲望という名の電車」「熱いトタン屋根の猫」など)
■脚色:フランシス・F・コッポラ(「ゴッドファーザー」)他
■監督:シドニー・ポラック
■出演:ナタリー・ウッド、 ロバート・レッドフォード、 チャールズ・ブロンソン他
■ストーリー
鉄道従業員の人員整理をするために
ミシシッピーの小さな町にやってきたオーエン(レッドフォード)。
彼の下宿先にはアルバ(ナタリー・ウッド)という美しい娘がいた。
やがて愛し合う2人だったが、アルバの母は2人の仲を引き裂こうとする。
鉄道従業員から袋叩きにあったオーエンと共に
ニューオリンズへ行く決心をするアルバだったが……。
<パラマウントピクチャーDVDページ参照>
■感想
まず冒頭にアルバの妹がボロボロの姉の形見のドレスを着、
廃墟となった鉄道町でBFに語り出すシーン。
テネシー・ウイリアムス臭ムンムン・・・惹き込まれます。
そしてかつて華やかだった頃の回想へ。
『明日に向って撃て!』以前のレッドフォードは、知的でハンサムな好青年。
今回はアルバたちにとって「敵役」みたいな役どころですが、憎めないなあ!
レッドフォードにはアクがないもん。
でも観ていくうちに合ってる・・と思いましたね。
正義感が強い点と、融通の利かない頑固さが魅力的・・それに純粋。
本当に惚れてしまう「初恋の人」的な存在ですから。
アルバ役のナタリー・ウッドは圧倒的に素晴らしい!!
「草原の輝き」、「ウエストサイドストーリー」など、
清純でありながらとても性的魅力があり、繊細だけど大胆。
しかし彼女には「強い生命力」というものが何故か感じられません。
きりっとした口元や意志の強そうな大きな目!!
でも・・・なぜか「はかなさ」が付きまとう。
小柄で華奢な点もあるかもしれませんが。。
彼女の持つ独特な内面性が関係するのかな?
この作品中のアルバは男たちの憧れの的。
いつも男の目を意識して、「何でも男は自分の言いなりになる。」と思っている。
でも、オーエンだけは理性と教養でなびかない。
そんな時の「プライドの傷つき方」が、彼女ならではの繊細な演技で、上手い!
自信ある美女は一変!
小鳥のようにおびえる少女に変わり、
相手への強い思慕と共に、
「相手に自分の運命を任せたい」という
典型的古風な女になってしまうのだ。
そこが可愛いと捉えるか、重いと捉えるかだが、
この時代は「可愛い女」なのだ。
いくら女性が強くなってきた時代でも、まだ、
男次第で運命が変わる・・・・それが女。
っていう暗黙の定義。
こうした女性像が、ナタリー・ウッドにはとても似合う。
ただし、チャッカリした女とは程遠く、
最終的には自分の幸せより、相手にとって自分のイメージが崩れるなら身を引く・・・・
それによって、身を落としても仕方ない・・・・・となってしまう。
優しいのか・・・?
というより美意識、美学が勝った女性なのだ。
美人だけど逞しく、母性愛が強いエリザベス・テイラーとは違い、
どっちかと言えば父性本能を駆り立てる女なのかもしれません。
こういったデリケートなムードを持つ女優はアメリカでは珍しいのではないかな?
『34丁目の奇跡』の子役時代から、大人の演技派女へと成功した彼女、
ロバート・ワグナーと結婚、離婚、復縁・・の果て
夫と夜の海で船に乗り、転落死・・・・・
悲劇的な末路は、彼女らしいとも言えます。。
それにしても、テネシー・ウイリアムズの描く女性って、
どうして幸せになれないんだろう・・・・・?
しかも、ベタな悲劇ではないので後に残る・・・・・・・
by mokkori_mattari
| 2009-07-26 11:44
| 映画・演劇