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『夜汽車』・・・・究極の悲劇

「嗚呼・・なんでこんな映画を観てしまったんだろう・・?」

こんな事って無いですか?
最近TVで観た映画『夜汽車』
救いのない悲劇で、思わず笑ってしまうほど@


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■1987年 日本

■原作:宮尾登美子
■監督:山下耕作
■脚本:松田寛夫 / 長田紀生

■出演
十朱幸代、秋吉久美子、萩原健一、萬田久子、白都真理、新藤恵美、速水典子、荒勢、谷村昌彦、阿藤海、永井秀和、小林稔侍、津川雅彦 、水野久美ほか

■あらすじ

昭和十年の高知行きの夜汽車に揺られている女・露子(十朱)は
十三歳の時に生き別れたたった一人の妹・里子(秋吉)に再会するための道行きだった。
16年前に両親に先立たれ、乳呑み児の里子を抱えた露子は養育費を稼ぐために、芸妓として生きてきたのだった。
涙の再会ともに、露子は愛すべき男・田村(萩原)ともその地で知り合う。
そんなつかの間の幸せの中、里子が突然の喀血
その入院費を稼ぐために、また全国を転々とする露子。
三年の月日が流れ、高知に戻ってくると愛する田村と里子は男女の関係となっていた。
悔やみきれぬ思いを抱え、露子は身を引くため囲われ者の身となった…。
だが、そんな三人のそれぞれを思う想いも空しく、彼らを取り巻く人々の思惑が入り乱れ、やがて哀しき結末へと導いていくのであった…。




■感想

なんでこんなベタな「女の悲劇」を観てしまったんじゃ~!?
だあれも幸せになれないじゃ~~~ん!!!
と雄叫びながら、ズルズル最後まで観ずにはいられない・・・・・・
きっと日本の原風景とか、夜汽車とか、和服・・・
映画の中で効果的で映されたせいでは?
それとも、アッシがマゾなんだろうか??
ん?サドってことか・・・・???
(宮尾登美子の『鬼龍院花子の生涯』もこの後やってたけど、さすがにリタイヤ。)
さて・・主演女優の十朱幸代ですが、この作品と『魚影の群れ』で、彼女への誤解が解け、好きになりました。
清純派って言えば聞こえがいいけど、彼女は好感度女優ゆえに「ブリッコ」せざるを得ないところがあったんですね・・・
それが、本作品では生々しく芸妓の悲哀観を表現し、いじらしい。
妹のために身を犠牲にして働き、好きな男は妹に取られ、それでも二人が困れば結局身を犠牲にして助ける。。
はっきり行って「おひとよし」!!
このどうしようもない優しさと、十朱の健気な雰囲気があいまって、
すっかり私も十朱に共感・・・・(ってアホか?単純おばさん)
全然意識しなかったけど、十朱幸代って演技が上手い☆
指を詰めてまで、妹を売春宿から救い出すシーンなんて、
「ぎょえ~!そっ!そこまでやらなくても!!」
憤慨しましたが、十朱姐さんは実に潔くやっちまう☆

最後は愛する男も妹も死んじまうし、詰めた小指に包帯巻いて、満州で踊りを舞う姿・・
涙流して、ひょうきんに舞う芸妓姿・・・・素晴らしい☆
若干貧乏臭い顔だから、リアルで痛ましい・・・

それに比べ、秋吉久美子は下手っぴ@
どこか観ていて照れます><
何故かというと・・・
絶えず自分の映りを意識している感じ・・・・?
「こうすれば色っぽい顔でしょ?」
な自意識が鼻に付いちゃう。。

彼女がいつまでたっても一皮剥けないのは、こういう自意識過剰なところかも?

だから彼女の役が吐血しても、犯されても、死んでも
ぜんぜん感情移入できまへん@
裸だけはとっても綺麗だけどね・・・
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まあ、こういうベタな悲劇もたま~~~~~~には観ても良いかな~?
ただし、演技者と監督が上手くないと、ただのお涙頂戴になっちまいますけどね。
by mokkori_mattari | 2010-01-12 12:36 | 映画・演劇