しかし、彼の映画出演の目的は、
スターになることではなく、
「自分の武道と精神を世界中に知って欲しい!」
という意味合いが大きかったようです。
道場を世界中に開くより、映画を通しての方が早く世界中に見せられる!!
なんとなく、生き急いでいる感じがします・・・・
で、『死亡遊戯』の撮影途中に舞い込み、出演する事になった
『燃えよドラゴン』 (1973年)
は、アメリカへのリベンジのチャンスでもありました。
じつは・・・
私は個人的に、この作品のリーはどこか人間離れしていて・・・親しめません。
もちろん、武術は相変わらず素晴らしいし、危なげゼロ!
居るだけで、貫禄というか他の人にはないオーラがある・・・・
孤高の人・・・・
そんな「他を寄せ付けない聖人のような空気」が漂ってる。。
人間っぽい役の前3作、
特に『ドラゴン危機一発』の撮影後彼は
「この役の彼には好調と低迷がいつもあり
その人間っぽい所が好きです。」
と言っています。
こんなことを言ったらリーファンに怒られそうだけど・・・・・
『燃えドラ』の彼は性格描写がイマイチ。。
冷静で凛としていて素晴らしいけど老成してしまって、無欲。。
人間の弱さ、可愛さが・・・・ありません。
しかし、格闘シーンではやはり圧巻です。
のっけからサモ・ハンキンポーと5本指グローブを着けた格闘シーン。
リーの身体が、痩せてしまっててビックリです!
彼の武道哲学
「考えるな!感じろ!」
を弟子に伝授するリー。
う~~ん!深い!
で、弟子が森昌子みたい・・・・
悪の武道家・ハンのボディーガードに追い詰められ、自害した妹の仇を取る決意で
ハンの支配する島へ向かい・・・
アンジェラ・マオ・・・印象深い・・・
トーナメントに臨むリー。
アメリカ人のジョン・サクソンや、黒人のジム・ ケリーはなんとなく弱そう。
ついに妹を死に追いやった西洋人を倒すリー!!!
一番のハイライトはハン(シーキエンさん)との鏡の間の対決!!!
かくれんぼの怖い版!!
とにもかくにも、この作品で彼は世界中に一大ブームを巻き起こし、
特に男性の憧れる最も魅力ある「強い男」として
熱いハートを掴んだのです。
映画館を出ると、皆強くなった気がしたもんです。
しかし、アメリカでのプレミアを観る事も無く、ブルース・リーは逝ってしまいました。。
東洋と西洋の橋渡しとして、
まさに、命がけで駆け抜けたブルース・リー・・・・
つづく